フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

理想は金に換わらない

コミュニティFMに携わっている人は、多分自分の中の夢の実現を考えておられるはずだ。
私なら、こんな放送をしたい、こんな番組が作りたいというように。
放送を通じて利益を得たいという方もおられるかもしれないが、すぐにそれは不可能だとわかるはず。
コミュニティFMのサイズでは、金が右から左へ頻繁に動くなどということは考えられないからだ。
自分の夢をあたため、どうやってそれを実現するかに日々頭を悩ましている、それがコミュニティFMの放送マンかもしれない。
どこのコミュニティFMの責任者の方も、それなりの理想は持っておられる。
放送局はこうあるべきだ、私は何があってもこれだけは守る、そういった強い意志を色んな方からお聞きした。
確かにその気持ちがなければ、コミュニティFMを経営することはできないだろう。
どのみち、コミュニティFMの経営が拡大スパイラルに変化していくことは考えられない。
何とか作った黒字を投資にまわし、それで更に黒字を膨らませるなんて、コミュニティFMには夢の又夢だ。
黒字にはなっても、余分な現金はない、それがコミュニティFMの経営の実態ではないだろうか。
少しでも金が残りそうになっても、知らぬ間に消えてしまう。
砂漠のような場所に立地しているとしか思えないのがコミュニティFMなのだから当然かもしれない。
余る水など、ありはしない。
一昔前の、農民の生活のようだ。
働いても働いても、楽にならない生活。
生産しても、それはいつのまにかどこかへ消えていき、自分達は最小限の食べ物で何とか生きている。
でも、そんなに暗かったかというと、多分精一杯明るく生きていたはず。
上を見たらきりがない、人並みに生きることができるなら、それで幸せと思わないといけない。
今でも、そんな人生観、人々の中に脈々と生きている。
理想は金に換わらないかもしれないが、それで毎日が生き生きとするならそれでいいではないか。
放送は、それ自体が楽しいものなのだ。
人はパンのみに生きるにあらず。
負け惜しみに取る人もいるかもしれないが、私はそんなコミュニティFMを心から応援したい。