フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

人材・3

台風の接近が日曜日になりそうなので、休みは明日にします。
人材の育成話、続きを書きます。


昨日は、40代以上に金を使うなら、新しい人材の発掘育成に金を使えと書きました。
これは例えばプロ野球の世界などで顕著だと思うのですが、業界の発展には新人の発掘と育成が不可欠なのです。
中高年の活用も重要だと思いますが、力の入れ方が違うのです。
専門的分野の開拓、新しい技術の開発、活用には新しい血が欠かせません。
過去のスキルを簡単に捨てきれない人が多い層、この場合は中高年層ですが、この人たちに多く資金が分配されてしまえば、優秀な人材は入ってこないというのは明らかだと思います。
昔のように、右肩上がりで収入が伸びていた時期ならまだしも、ラジオの売上が今年度も5%程度下がると予測されている中、若い世代への投資が今以上に減れば、業界の未来など無くなると危惧するのが普通ではないでしょうか。
私がこの業界に入ってきた頃、ご存知の通り、職場には20代や30代の社員が大多数存在していました。
若い世代は、年功序列賃金の下では相対的に人件費が安い。
多少、残業しようと(例え100時間を越えようと)人件費比率を極端に上げるということもありませんでした。
こういう機材がほしい、制作費をこれぐらい使いたいと言っても、よほどのことがない限り放送局は要望に応じてくれました。
今は、放送局の営業利益のほとんどが、ただそこに存在するというだけの中高年に流れています。
人口ピラミッドの変化と年功序列賃金が生み出したもの、それが人材の開発育成への投資額減という現象なのだと思います。
そうなってしまったものは仕方がない。
今の放送局のほとんどはそこで判断停止しているようです。
あげくに番組制作費のカット、現場のアウトソーシング増加、出張手当のカット、会議費のカットなどという、創作活動には不適合な環境ばかりを作り出しているのです。
この環境で何が生まれるのでしょうか。
無駄のカット、非能率な作業の改善は当然といえば当然です。
しかし、何が放送局の発展に必要な作業で、何が不必要な作業かについての論議もなしに、思いつきで経費をカットするなんて、愚の骨頂といわずに何といえましょうか。
ほっておけば、どんどん衰退しかねないラジオ業界。
誰でも考えつくような経営方針で、業界が上向くはずなどないと私には思えてならないのですが。


ということで、台風接近のコミュニティFM関係者の皆様。
大変だと思いますが、ご健闘をお祈りします。