フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

アマとプロ

今日はあるロック系のアーチストのイベントに顔を出した。
いわゆる無料のストアライブである。
客は100人程度。
ライブ終了後、メンバーがCD売場で来てくれたファンの方と営業笑いを炸裂させながら対応していた。
最近、アーチストの地位が前より低下したのではないかと思うようになった。
インディーズというアーチスト分野が成立するようになってから、アーチスト自体がファンの線まで下りてきたとでもいうか。
なにしろアーチストから得られる利益が周囲のスタッフを多数養うことは不可能になりつつある。
アーチストだからと、ライブが終って奥の院でふんぞり返っているわけにはいかない。
握手をしたり、サインをしたり、グッズを一緒に売ったりして、少しでも顧客を増やさなければアーチストとしての立場が危うくなる。
ティッシュ配りやコンビ二でバイトするより、ファンに自分達の作品を売っている方が気分としてはましなはず。
音楽業界は、今はある意味過渡期である。
これからアーチストの位置付けがどう変わっていくか、興味を持って見ているところである。
コミュニティFMの出演者はどうなのだろうか。
いわゆるプロとしてのDJ、プロとしての喋り手といえる人はどれだけいるだろうか。
プロとアマはどう違うか?
プロというのは、言うまでもないがそれを仕事にしている人、すなわち金をもらって自分の技術を売っている人である。
技術は上達すれば上達するほど希少価値がうまれ、その対価も上昇する。
生活を安定させたいと思うプロは、ますます技術を磨き、自分の価値を高めるだろう。
生活の安定がなければプロは続けられない。
プロをいくら目指していても、技術が上がらなければドロップアウトしかない。
それがアマチュアにはない、プロとしての宿命なのだと思う。
金がないところにはプロは育たない。
当然だろう、金がないところで幾ら技術水準を上げたところで、収入に直結するはずがないからだ。
コミュニティFMが下手をするとアマチュアだらけになってしまうのは、結局プロの技量への対価を用意できないからに他ならない。
ギャラが全く上がらない喋り手やボランティアに頼っている間は、良質な番組を維持するのは難しく、それゆえリスナーもクライアントも得られないことになる。
コミュニティFMが構造的にそうなら、放送売上がこれ以上伸びることなどありえないと私は思う。
皆さんの局はどうなのだろう。