フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

安物通り、安物ステーション

2002年に私が書いた「安物通り」という文章がある。
少し引用してみる。


昨日、ある人の車に乗って海岸通りを走っていた。
その人は、ハンドルを握る手で軽く前方を指差しながらこう言った。
「あそこに大きなディスカウント系の酒屋があるでしょ。その向こうが100円ショップの建物で、反対側がユニクロ。しばらく、ファミレスや回転寿司などがあって、その向こうがドン・キホーテ。それから、もうちょっと行くと・・・」
等と説明してくれる。
で、最後に彼はこう言った。
「この通りを別名、安物通りと言うんだ。」
安物通り、彼の口から出たこの言葉に今の時代を凄く感じた次第だ。
そうか、今やいわゆるディスカウントショップが、通り沿いに並ぶ時代なのだ。
あの通りに行けば、どこよりも安く、どこよりも豊かに買い物ができる。
もちろん、どの店も駐車場完備。
安い店が一杯集まる、安物通り、いい得て妙だなとちょっと感心してしまった。
もちろん、正式にはそんな名前はついていない。
彼が命名し、彼の周りが使っているだけなのだが、そのうち皆が俗称として使うかもしれない。
新宿のしょんべん横丁とか、新宿ゴールデン街とか、当たり前だがどれも正式名ではない。だが、その名が見事に実態を言い表している。
地名とは、原則的にこうあるべきで、かってに何とか1丁目などという、どこにでもありそうな名前を自治体が押し付けたりするべきではないと思う。
他にも、競馬場につきものの通り名が「おけら街道」。
最終レースもぼろぼろに負け、挙句は残しておいた電車賃も使い果たし、全くのおけらでとぼとぼ帰る道を誰言うとなくそう呼ぶようになった。
で、その通り沿いには、昔は質屋さんが、今はサラ金が軒を連ねているという。
よく出来た話である。
名は体を表すというが、彼が何気なく口にした「安物通り」というのは実にその風景を的確に表現していたなと今も思う。
では、コミュニティFMに対してはどんな名が相応しいだろう。
申し訳ないが、今のコミュニティFMには「コミュニティFM」という名はあまりにもかっこよすぎはしまいか。
彼の言葉を借りれば、「安物ステーション」と言ったほうが実体に即していそうな気がする。
それではセンスがないというなら、マイナーFMでもかまわない。
とにかく、名前を聞けば実体がわかるというものにしたらどうだろうか。
まだミニFMの方が理解しやすいという人もおられそうだ。
もちろん、今回の話は半分戯言である。
機嫌を悪くされると困るのであらかじめ謝っておきたい。
でも、何も知らない人が、名前を聞けばある程度事業形態をイメージできるようなネーミングは必要だろうとは思う。
自虐的なネーミングかもしれないが、その方がかえって愛されるのではないだろうかなどと書くとやっぱり失礼な意見と言われるかも。
もろもろ、お許しねがえればということで、また明日。