フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

デジタル放送への危惧

このブログを開始した2004年の頃は、私の立場はIT業界に近かったような気がします。
当時、インターネットへ強い興味を持つようになった私は、義理程度にしか放送業界と関わらないようにしていました。
プロフィールにあるように、本業はITのマネージメントというスタンスだったのですが、2年ぐらい前から再び古巣の局と関わりを持つようになり、最近は半分は放送局関連の仕事に駆り出されるようになっております。
時々、この欄に書くデジタルラジオの仕事もそうです。
マルチプレックス会社ができれば、後はとんとん拍子に進んでいくだろう、それまでの業務整理ぐらいは手伝ってあげようかという気分でした。
デジタルラジオはIT業界との接点も多いし、やって損はないだろうと思っていたのです。
ところが、ご承知のようにマルチプレックス会社は頓挫。
VHFとUHF帯の跡地利用の話も、振り出しにもどってしまったような状況です。
何だバカバカしい、全く何やっているんだか・・・。
そういうわけで、デジタルラジオに興味を失っていると年頭に書かせていただいたわけです。
今回の騒動を見ていると、PCMラジオ(つまりミュージックバード)がスタートした時の記憶が甦ってきます。
こんなビジネス、どうやって成立させるんだろう。
対外的には、立場上PCM放送のバラ色の未来を語っていた当時の私ですが、本心は暗澹たるものでした。
どこにも突破口がない。
一点突破、全面展開という言葉があるが、その一点が見つからない。
クラシックがその一点?
一万人の契約がとれれば、採算にのるはずだ、ですか?
まさか、わざわざ高いチューナーを買い、毎月結構な金を払ってクラシックをラジオで聞こうなどという人口が1万人もいるわけないじゃないですか。
2年、3年がまんすれば、契約者数がそこまで達するなんて話、本気で信じているんですか?
私は、当時編成の責任者でした。
その責任者がビジネスに懐疑的だったのだから、成功するはずもなかったといえばそれまででしょう。
デジタルラジオ、関われば関わるほど、あの時の気分が強まるのです。
考え方を変えない限り無理です。
放送ビジネスとしてデジタルラジオを考えるなんて、正気の沙汰ではありませんよ。
どこかで期待していたセントギガもご存知の体たらく。
BSラジオは軒並み破綻、モバイル放送はいつ店じまいするかという段階、ワンセグ放送だってテレビ局にとっては金食い虫以外のなにものでもない。
ワンセグ放送も、放送ビジネスと考えている間は、何も生まれないと私は思っています。
一体、どこで制作費を回収するのでしょうか。
本体の12セグメント放送もどうなるかわかったものでもありませんし。
2011年以後にどんなビジョンを描いているのか。
一度、テレビ関係者の方にじっくりとお聞きしたいものです。