フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

大阪レジスタンス・4

大阪の尼崎に「つかしん」というショッピングセンターがあります。
今はグンゼタウンセンター「つかしん」という呼び名に変わっているようですが、元々は1985年にできた西武セゾングループのSCでした。
セゾンの総帥、堤清二氏の肝いりで作られた都市型SCで、理想的な街づくりを理念に設計されたものだと言われていました。
名前の「つかしん」も塚口に新世界をという発想から「塚新」とネーミングされたのだという人もいましたがよく知りません。
当時の担当者に、「つかしん」って、変な名前ですねと言ったのですが、堤清二さんがネーミングされたので誰も文句が言えないのだとおっしゃっていたのを思い出します。
変なものといえば、当時、フジサンケイグループの目玉マークがありました。
これも、当時の社長が決めたから社内も社外も不評なのだが、誰も何も言えないんだという声を聞いた記憶があります。
社長が決めたら何も言えないというのは悲しいですね。
今なら小泉総理が言ったのだから、誰も反対できないというのと似ていますね。
さて、その「つかしん」ですが、私もイベントなどの制作で何度か足を運びました。
J−WALKのコンサート、志賀真理子さんのチャーチ・イベント、番組の公開録音等々、本当にお世話になった「つかしん」なのですが、正直ここは集客的にしんどいだろうなと思いました。
それは番組アシスタントだった女性が思わず叫んだこの言葉で表されていました。
「うわ、東京くさ!」
東京臭いというのは、大阪の女の子の一番のマイナスイメージでした。
中味もないのに、かっこばかりつけて・・・=東京臭い、のです。
東京のものが悪いといっているのではありません。
東京風にしたら、それでどんなものでもかっこよく見えると思ったら大間違いという意味です。
本物しか相手にしない、そんな気持ちが大阪の女の子に根強くあるのです。
先日も、あるタレントの卵ちゃんが新しいパンツをはいてきました。
これ、いくらに見えます?
え?何それ、安物?
ちゃんとしたブランド物ですよ、ほら?値札は2万円。
で、いくらで買ったの?
へへへ、2千円・・・、安いでしょう。
勝ち誇る彼女。
そうです、大阪の子は、いかに本物を安く買ったかにこだわるのです。
で、そういう大阪の子に「東京臭い」なんて言われるSCが成功するわけはないのです。
私も同じような感想を持ちました。
大阪のお客さんを相手にする以上、大阪人の好みに合わせた店作りが必要ではないのか。
東京ではこういうのが評価されているのだから、おまえら大阪人も大人しく買い物にくればいいのだ、そんな傲慢な姿勢がどうしても感じられてしまうのです。
案の定といいますか、「つかしん」はさまざまに迷走し、挙句の果ては一部閉鎖の憂き目にあいました。
そして、今年になり「グンゼタウンセンター・つかしん」として再オープンしたのだそうです。
東京のやり方を大阪におしつける、放送の世界でも多々見受けられることです。
大阪人が違和感を持つこういったやり方を認めてしまっている、そんな大阪の放送局であってはならない、私の偽らざる気持ちです。