フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMを開局される方へ・5

磯子通信企画さんのブログに小田原市にCFMが開局されるという情報があった。
タウンニュース社の記事がリンクされ、そこにはこう書かれていた。


FM放送の開局は、「防災対策」として市民アンケートなどから必要性の高い希望があった。加えて昨年、台風の影響で山王川が危険な状態となった際、避難勧告が防災無線では聞き取りにくいとの声もあり、早期開設が求められていた。


市民の要望もあり、防災にも有効だから自治体としてコミュニティFMを開局するという意味にとれる。
もちろん、そのための費用は自治体が出すのだろう。
運営費用も自治体が出す、この文面からはそうとしか思えない。
そう、コミュニティFM、とりわけ三セクで作られたコミュニティFMにはそういう考え方が垣間見えると私は思うのだ。
ここには、企業としての理念は希薄である。
番組を商品とは考えていないし、その商品を売って既に投資した費用を回収しようという意図は感じられない。
多分、自治体の中では、開局費用や初年度の運営費用が予算化されたことで、ひとつ終わりなのだろう。
使った金は、上記の崇高な意図を実現するためのものであろう。
また、今後も必要であれば、追加の費用も考えないわけではない。
留保的なものとしては、これぐらいだろうか。
三セクにとって、年度ごとの費用はすでに払った必要経費であり、リクープする対象とは考えていないと思われる。
ただし、当初の目的に合致しなくなれば、予算が削られるだけのことだ。
どこの三セクも考え方は同じ。
コミュニティFMだけが特殊な位置付けをされて、開局されるわけではない。
コミュニティFMが三セク的に問題なのはひょっとしたら一つだけかもしれない。
それは、せっかく開局しても誰も聞かないということ。
自治体の出す、市制だよりなどと同じである、そんなもの誰が読むものかといいたくなるものが多い。
首長の決済を受け、議会に承認された計画書どおりにやったのだから、それで儲かろうと儲かるまいと何も問題がない、責任者はそう思うに違いない。
いや、必ずしも三セクを作って儲けろとは計画書には書かれていないと担当者は言うだろう。
こんな状況で、コミュニティFMがビジネスとして通用するわけはないことは明らかなような気がする。
「市民の要望もあり、防災にも有効」なら、自治体は文句を言わず毎年補助金を出しつづけるのが筋だろう。
崇高な意図を実現することに、制作者は努力して欲しい。
儲けることなど、無理して考えることはないと言うべきではないか、自治体は。
どこかに、概念の混乱がある、最近の私はそれを強く実感している次第だ。