フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

聞いてもらうためには

私がPCM局で番組を作っていた頃、一番気になったのは、はたして何人聞いてくれているかということだった。
チューナーが何百台しか出ていない状況、しかも全国を相手にしているわけだから、確率的にいえば聞いている人ゼロということもありえた。
それでも、毎回、手を抜かずに番組を作り続けた。
少々、無茶苦茶しても文句なんか言ってこないだろうという気楽さもあったが。
そんな中、ある時リスナーからハガキが来た。
いつも聞いてますよ。
驚きとともに、一人でも聞いている人がいるんだ、気をつけようと自戒したものだった。
衛星放送の場合、チューナーの数が増えない限り、リスナーは増えない。
コミュニティFMの場合は、少なくともチューナーは人口並みにあるはずだから、送り手の努力次第ではある程度のリスナーはつかめるはず。
なのに、あまり聞く人がいないとすると、それは送り手側に問題があるというしかない。
ユーザーのニーズがつかめていない、だから相手にリーチしない。
当たり前のことが、あまり深刻に議論されないのは何故なのだろうか。
それを改善するための金がない、人材がいない、それが理由なのかもしれない。
だが、こういう議論、県域FMでもあまり真剣に語り合われているようにも思えないのだが。
何となく放送したら、何となく受けた。
理由はよくわからないが、きっとリスナーのニーズに合う放送が自然にできたのだろうで、おしまいだったりする。
シミュレーションを実際にやっている局もあまり知らない。
結局、既存のラジオ局が持たないノーハウをコミュニティFMが持てるはずもない、という結論になってしまう。
多くの人に聞いてもらうにはどうしたらいいか、もう少し理屈があってもよいのではと思うのだが。