フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ある放送

明るい話題というほどのことではないが、私が評価した番組の話を書く。
あるコミュニティFMの人と、車に乗りながら話をしたことがある。
その人は、もちろん自分の局の放送を車内で流していたのだが、聞きながら、なかなか面白いなと思った。
それは、女性のDJによる全編中国語の放送。
中国ではやっている音楽を紹介している番組のようだった。
中国語はほとんどわからないが、DJのバランスはなかなかいい。
話し方も、愛らしいと言うか、心が伝わって来ると言うか。
言葉はわからないが、話している内容は何となくわかるような気がした。
「この人、誰ですか?」私は思わず聞いた。
「大学の留学生ですよ。時々手伝ってもらっています。」
「うまいですねえ、どこで習ったのかなあ。」
その人は、私が何を言いたいのかわからなかったようだ。
「中国語、わかるんですか、私には何を言っているのかさっぱりわかりません。」
どうも、DJの巧拙にまで気づいておられないようだ。
コミュニティFMでは、そんな話し方のうまい下手ばかりにこだわっていられないのかもしれない。
日々、仕事に追い捲くられている人には、才能のきらめきも目に入らないのも無理もないのかなと思ったりした。
「この人、よかったら今度会わせて下さいね、お願いします。」
「え?はい、連絡先など聞いておきます。」
あれから、もうだいぶ時間が経ったが、残念ながら今もその人に会うことはできないでいる。
才能のある人は、できるだけ埋もれないようにしてあげたい。
私は今日もそう思いながら、この欄を更新している。