フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

放送マンとして

自分のことを少し書くと、私が放送局の社員だった期間は、約20年である。
大阪に15年勤めて、残りは東京。
若かった分、大阪にいた時の方が楽しかった。
東京に来たら、とにかく毎日を走り続けない限り、相手にしてもらえないというのがよくわかった。
で、走り続けた。
しんどかった、大阪にいた頃が天国のように思えないでもなかった。
大阪にいた時と言っても、ずっと制作をやっていたわけではない。
4年ほど、営業外勤もやった。
放送局の営業というのは、他業種の営業マンよりはだいぶ楽なのは事実だが、それでも毎日が人に頭を下げる日々。
会社のノルマみたいなものに毎日追いかけられ、精神的に休まる日はあまりなかった。
業界のしきたりとか、商売というのはこういう理不尽なものも含めて商売なのだなあと色々勉強になった日々ではあったが。
残りの16年は、編成が2年ほどで、後は東京時代も含めてすべて番組制作担当。
制作は楽しいだろうとよく思われているが、真面目にやれば意外と辛い。
世の中においしいだけの番組等存在しない。
精神的にギリギリなところで仕事をすることも多い。
業界との軋轢もあるし、人と人との修羅場みたいなものもある。
もう現場を離れて10年ほど経つが、番組的にいい思い出と悪い思い出を数えれば、悪い方が多いというのが実感だ。
だから、コミュニティFMで働いている人たちに言いたい。
どんな仕事をやっていても、真面目にやっている人は、みんなどこか辛いのだと。
しかし、その辛さがその人の度量を作り、判断力を作るのだ。
適当にやれば、適当な人間にしかなれない。
楽しいことばかりあれば、人は堕落するし、成長をやめるだろう。
世の中は、実に難渋であることは言を待たない。