フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

放送局の編成

コミュニティFMを立ち上げようとする人達から、よく感じること。
放送局の編成について、トータルなイメージがないなあということ。
タイムテーブル自体は、平面的なマップとして理解していても、そこに時間と空間が加わるとどうなるかが実感できていない。
いわゆるリアリティが感じられないのだ。
そりゃ、やったことがないからわからないのは当然だと言われるかもしれない。
しかし、ほとんどの人が何となくわかった気になっているのが問題なのだ。
いわゆる、点としては理解できているのだろう。
自分がラジオを聞いていて、ああしたい、こうしたいとか思ったりしたのだろう。
毎晩、習慣的にラジオを聞いていると、何となくわかったような気になるものだ。
ところが、実際、放送局の編成をやる立場になると、如何にこの世界が点や線ではなく、立体的な世界だということに気づくはずだ。
ミクロで気づいていたことも、マクロ的に見るとどうなのか、それをリアルに認識できていないのではなかろうか。
私が、ある衛星ラジオの編成を命じられた時、私自身はその大変さに頭がクラクラした。
何しろ、1チャンネルだけではない。
6チャンネル分の編成を考えないといけなかったからだ。
勿論、一つ一つの番組は各担当にやってもらうのだが、全体のコンセプトを立案するのは私なのだ。
まるで、これから6人分の人生を24時間イメージしないといけないという気分だった。
そんなのマトモにやったらノイローゼになるぞ。
コミュニティFMの編成にしても、時空間の把握力みたいなものが本当は必要だ。
誰かにやってもらう(キー局から番組をネットしてもらう、衛星ラジオを再送信する)ぐらいしか、結局逃げ場がなくなるのは目に見えている。
だが、そんなことやっているから、コミュニティFMは聞かれなくなるのだ。
苦労してでも、編成は自分で考えないと。
リスナーはおそらくもっと、コミュニティFMのスタッフより放送に詳しいはずだから。