フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

YES・fm

大阪の戎橋商店会が発行している「えびすばし」という雑誌を図書館で見つけ、しばらくバックナンバーを読んでいた。
96年11月号でYES・fmの方が、コミュニティFMについてコメントを寄せられていたのだが、参考になるかもしれないので一部を引用させてもらう。


「テレビが高速道路、広域放送のFMやAMが国道ならば、YES・fmは路地だ。」
うん、その通り、その認識は間違っていない。


「大きな放送局に力で対抗しようなんて初めから思っていない。でも、番組を面白うしようと思えば、何ぼでもできる。放送局・ラジオがいつのまにか持ってしまった既成概念を取り払うこと。そうすれば誰でも個人でラジオというメディアを利用しあい、発想も広がるはずだ。」
夢はよくわかる、でも、YES・fmがその後言葉どおりうまくいったのかどうかは既に結果が出ている。


YES・fmは、できればクラブ的なイメージでやりたいとも書いてあった。
ハコを提供する、そこで皆がコンテンツを持ち寄り、ラジオを通じて自由に情報を発信しようというスタンスなのだろう。
残念ながら、開局したコミュニティFMのほとんどが同じような夢を語っていた。
そして、その通りになる局のなんと少ないことか。
面白い番組を作るのには、金もノーハウもいる。
人材の育成も必要だし、リスナーの獲得のための方法論も考えないといけない。
だが、ほとんどのコミュニティFMは、過去に実績があるとみなされたスタッフの安易な編成方針に乗っかるだけで、何らコミュニティFMのための放送環境を醸成しはしなかった。
夢は所詮夢、それを実現するためのフォーマット、行程表を作るのは誰なのか。
考え方は間違っていない、しかしそのビジネスモデルに行き着く前に、ほとんどのスタッフは落伍する。
コミュニティFMのための職人(マイスター)がほとんどいない。
あげくに制作費のカット、思いつきの番組改編などで、ますます現場が疲弊する。
コミュニティFMが路地なら、路地をビジネスの対象とするマーケティングもあるはず。
国道と同じマーケティングで事足れりとするなら、コミュニティFMというビジネスは成立しない。
明日、時間があれば、そのあたりを書いてみる。