フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

二兎を追うもの

聴取率が高くても、それが売上げに結びつかない時代になったと802の関係者が言ったという。
東京では、TBSラジオも同じ状況だ。
他のラジオ局よりもレーティングをとったからといって、スポンサーが目白押しという状況ではない。
レーティングが高いラジオ局にスポットを流したところで実際のユーザーは動かない、そう結論付けているクライアントも私のまわりに多いのは事実だ。
数字よりも、お客さん(リスナー)の姿が見える媒体を選ぶ、あやふやな聴取率という数字は信頼しない時代にいつのまにかなった。
TBSラジオの「アクセス」は、数字もとれたし、内容のあるいい番組だった。
だが、スポンサーはつかなかった。
それだけでは、クライアントをひきつける力にはならなかったのだ。
大阪のfmcocoloが前よりもリスナーが増えたところでスポンサーが動くとは思えない。
むしろ、そのための営業努力を営業社員に強いなければいけない802の方が、自分たちのポテンシャルを減じさせる結果になるのではないか。
東京支社の営業マンは、802もcocoloも売らなければならない、という話を聞かされた。
ラジオが売れていた時代なら、何とかなりそうな気がするが、今のマーケット状況では厳しい。
二兎を追うもの、一兎をも得ず。
今は、徒然草風に言えば「この一矢に定むべしと思へ」というのが正解ではないか。
作り手側からすれば、バリエーションが多いほうが楽しいかもしれないが、売り手の立場に立てばそれほど楽なことではないだろう。
デジタルラジオというのも、ある意味「アナログとデジタルの二兎を追うもの」を連想させる。
ま、私の考えが間違っているかもしれないので、それほど心配する必要はないと言われればそれまでだろうが。