フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

適正価格(その2)

ラジオ局の適正価格というのはいくらか?
しばらく私の経験談みたいになるが、お許しいただきたい。
私が営業に配属されて一番戸惑ったのはスポットの価格だった。
とりあえず、営業資料として印刷されていた定価表があった。
この数字はどうやって決めたのかと質問した私に、上司は同業他社の定価表に準じて作るのだと説明。
じゃ、その同業他社は、どうやって今の価格にしたのかと重ねて質問すると、うるさいなと露骨にイヤな顔をされ、「そんなもの、歴史がそう決めたんだよ。」と言って去っていかれた。
歴史というのは大げさだが、ま、需要と供給の微妙なバランスの中から演繹的にそうなったと考えるしかないのだろう。
閑話休題
で、ラジオ局にはこの定価表以外にもう一つの価格があった。
それが実勢価格である。
実勢価格とは何かというと、定価表はとりあえずこの数字だが、実際の取引にはこちらの数字を使うという価格である。
例えば、20秒スポット4万円と定価表にあるが、実際にクライアントに提示するのは実勢価格の20秒スポット3万円というぐあいにだ。
つまり、最初から定価表から25%引いて、スポットを売りますと言っているわけだ。
なら、実勢価格をそのまま定価表に書けばいいのにと思うが、定価表は一度決めるとしばらく改定しない。
物価上昇が当然の時代は、しばらくすれば実勢価格がどんどん定価表に追いついていくわけだから、それでいいのだという説明だった。
ま、そういう意味では、実勢価格=適正価格と言えないこともないが、実際にそれで商売している私には、何か腑に落ちないものが残っていた。
一番、これで本当にいいのかと思ったのが、クライアントごとに販売価格が違うことだった。
スポットの中味がイメージ中心だったら安いが、露骨に買ってくれ、店に来てくれというのなら高くなる、というのなら納得も行くのだが、それは関係ない。
Aというクライアントは20秒3万円、でもBというクライアントは1万円という風にである。
流れる時間、流れる条件は一緒なのに、その値段が3倍も違うのである。
Bというクライアントは、昔から出向してくれていて、その時の価格が安かったから極端には上げられないのだという話だったが、何か不公平な感じがして仕方がなかった。
長くなるので、この続きはまた次回。