フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

顧客像・3

コミュニティFMは顧客を作れるか?という問いかけがありました。
基本的な話ですが、少し触れておきたいと思います。
コミュニティFMに限らず、ラジオ(放送)局にとっての顧客は、一般的にリスナーと思われています。
だから、どうやってリスナーを獲得できるかが勝負などと言われるようです。
しかし、リスナーは顧客と言っても、放送局に1円も払ってくれません。
実際に金を払ってくれるのは、広告主(スポンサー)なのです。
それゆえ、リスナーを顧客(クライアント)として考えるのは間違いで、本来放送局がケアしないといけないのはスポンサーということになります。
かといって、スポンサーからすると放送局がリスナー(この場合広告主のサービスを買ってくれる消費者)を囲い込んでいると思えるからこそ、宣伝費として金を払うのです。
となると、放送局がユーザーのニーズを考える相手はスポンサーというクライアントであり、リスナーというクライアントではないという皮肉な状況になります。
放送局は顧客としてのリスナーではなく、広告主の顧客としてのリスナーを囲い込んでおくことがビジネスの肝ということになるのです。
リスナーを囲い込む、そのための努力、それがラジオ局に課せられた義務といえるかもしれません。
囲い込む方法は何だっていいのです。
極端に言えば、やらせであろうとあこぎであろうと、囲い込んでしまえば勝ちです。
それを評価するのは、スポンサーというクライアントであり、それをプロモートする広告代理店なのです。
じゃあコミュニティFMはどうか。
前にも言いましたが、広告代理店は基本的にコミュニティFMをプロモートすることはありません。
となると、コミュニティFMは直接クライアントに対応する以外にないでしょう。
実際に囲い込んだリスナーをクライアントに見てもらう、実感してもらう、その作業に全力を傾けるしかないのだと思います。
逆にいえば、広告クライアントの「こういう層をこれだけ集めてくれ」という要望に対応するのが一番コミュニティFMが力を発揮できるシチュエーションではないかと思うのです。
やみくもにリスナーを囲い込もうとしないで、クライアントのニーズに応じたリスナーの獲得を目指すのです。
囲いこむことは、決してユーザー(リスナー)のニーズをつかむこととは同じではありません。
何度もいいますが、力まかせだろうと嘘八百であろうと、囲い込んだ方が勝ちなのです。
コンプライアンスの範囲内であることは勿論のことですが、それぐらいの思い切った発想がなければコミュニティFMは相手にされないと思ったほうがいいかもしれません。