フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

顧客像・2

マチュアバンドのライブなどに行かれたことがある方なら、今日の私の話は理解しやすいと思う。
ライブ会場の観客のほとんどは、出場メンバーの関係者である。
親、親戚、友達、職場の仲間、そういった関係者がメンバーごとに客としてついている。
フリの客というか、純粋なファンなんて、数えるほどしかいない。
言うならば学校の文化祭の縮小版とでもいうか。
ファンに支えられるというのがバンドの生命線だとすると、客が一杯でも関係者ばかりというのではビジネスとしては成り立たない。
濃密な人間関係ではない、純粋なファン層をどれだけつかめるかが、バンドがビジネスとして成り立つ重要な要素なのだ。
バンドをコミュニティFMと言い換えても同じことが言える。
関係者が番組を聞いているだけでは、商売としては成立しにくい。
一般的なリスナー、言い換えればファンをどれだけ獲得できるのかが勝負になってくるはず。
純粋なファンが生まれれば、自然に広告クライアントも注目してくれるようになる。
いわゆる閉じた層に向かって自己満足な放送を流している間は、多くのファンを得ることは困難だと思う。
コミュニティFMに求められていることは、誰に頼まれることもなく、自然な気持でダイヤルをあわせてくれるリスナーをつかむことだ。
そのためのノーハウを獲得することだ。
最初は、関係者に向かってしゃべっていてもいい。
自己満足的な内容でも、ある程度は許される。
でも、それを商売に結び付けようとするなら、早くそういった内向きなベクトルを修正して、いかに普通のリスナーの耳にとまる番組を作るかに専念しないといけない。
ストリートミュージシャンがいい例だ。
何組かのバンドが並んでいても、外への説得力を持つバンドには自然と人が集まるものだ。
人気のあるバンドに人が並ぶのではない、魅力的なバンドだから人が並ぶのである。
魅力的なコミュニティFMであるには、どうしたらいいか。
一度、そういう人気のあるストリートミュージシャンを観察して考えてほしいと思う。