フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

やっぱり本ですね

芸能生活40年という、あるタレントさんと仕事をしている。
収録の後、ある小料理屋で酒を酌み交わしながらこういわれた。
「やっぱり、いい番組は本ですね。他の番組だったら本なんか無視するんだけど、いい本に出会うとこちらのテンションも上がるんですよ。この本には負けられないという気分になるといいますかね。」
本=台本である。
ラジオ番組には、普通あまり大した台本はない。
フォーマットがあるだけの番組が圧倒的かもしれない。
でも、私はフォーマットだけの番組なんか好きになれない。
作り手側の意志を伝えるためにも、本は必要だと思っている。
口で伝えるだけでいいではないかと言われるかもしれないが、本になっていると制作者側の真剣さが伝わると思うのだ。
何故本がないかというと、制作者もあまり真剣に番組を考えていないからと私なら思ってしまうのだが、皆さんはどうなのだろう。
実際にそれを放送の中でDJが言葉にするかどうかはどうでもいい。
制作者側の意志がそれで伝わればいいのだ。
(後はフリートークで)なんてのは、結局タレントさんに重荷を背負わすだけではないかと。
自分でその重荷を背負うのが好きな人であっても、私なら絶対に何らかの本を用意する。
いつでも、荷を背負う準備はあります、無理なら言ってくださいというメッセージである。
あの人は勝手に荷物を背負うから、ほっておけばいいではディレクターは要らない。
単なる下僕か、小間使いではないか、それでは。
番組の制作現場は、真剣勝負の場である。
作り手と喋り手の間の丁丁発止が創造を生むのだと私は思う。
「私は、この番組だけは本の通りにしゃべるつもりなんですよ。」
タレントさんは焼酎をくいっと呷った後、ほほえみながら私にそういった。