フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMの現場

もう10年以上も前になりますが、私がCS−PCM放送をスタートさせた時は、日本にはチューナーは200台ほどしかありませんでした。
全国で、です。
でも、とにかく放送は始めないといけません。
当時は、6つの事業体が競って、PCM放送を始めていました。
オープニングイベントでは、私どもはNHK交響楽団のメンバーで作った弦楽四重奏団の生演奏を放送しました。
ある会議室に200人ほどの観客を入れて行ったのですが、演奏の生中継ということで空調を止めないといけない状態。
9月だったと思いますが、演奏者の方々は30分間余りの間、白いカッターシャツをびしょびしょにしながら熱演してくださったのを思い出します。
でも、それを受信機で聞いてくれている人は、最大で200人程度。
申し訳ないやら、情けないやら。
その後も、数少ないリスナー相手に毎日コンテンツを作りました。
生放送でフランク・ザッパに電話で取材したり、イギリスのパントマイマー(「サンダーバード」の人形ぶりが見事だった)の2人組をゲストに呼んだりと、極めて中味の濃い放送をしていたのです。
たった、200台しかチューナーがないのに。
だから、コミュニティFMの制作をしている人たちの気持ちが何となくわかります。
その努力の質の高さにくらべて、何と得られるものの小さなことよ。
そんな努力は無駄だと言われればそれまでですが、それでも私が作るならいい加減なものは作りたくないと言う気持ちは強くありました。
金の無駄遣いは賛成できませんが、努力の無駄遣いは、決して無駄ではないと今の私は思います。
コミュニティFMの皆さんの努力を期待しております。